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《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2
2日目の朝です。

実は5時に起きて<鰻の仕掛け>の結果をみに行く、という
「隠れオプション」がありました。

皆さん寝る前にそれを聞いて意気込んでいたのですが、
そこに泊まった10人程度の人のなかで
実際そのオプションに参加できたのは、TAROさんひとりだけ。
TAROさん、前の晩も決して早寝ではなかったはずなのに、さすがです!

というわけで、その<仕掛け>の様子はTAROさんから伝え聞くしかないのですが、
‘川通(かわつう)’の13歳の男の子が
川案内から鰻の仕掛けまで全部を案内してくれたのだとか。

結果的には、漁はボウズ(=収穫ゼロ)だったらしいのですが、
驚くほど単純な仕掛けで鰻をとる方法にTAROさん、びっくりしていました。

それにしてもそんな少年がいるなんて・・・中津川、頼もしい。

***

ところで、
夏の山の朝は気持ちいいものです。

特に「曽我家離れ」での目覚めは、とても快適でした。

ドアを開けたら(この時期には不思議ですが)ウグイスが鳴いていたので、
あまりの気持ち良さに家を全面開け放ってしまいました。
《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_6345078.jpg


こんなことができる環境、すごくうらやましいです。

こういう環境にいると、
自然とお腹もすいてきます。

《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_6391149.jpg

《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_6332673.jpg


****

さて、前日の二日酔いも中津川の空気と日射しで癒えた一行、
本日はほぼ終日かけてのオプショナルツアーとなります。

大変お世話になった曽我家を後に、
一行はそのまま中津川の皆さんの車に便乗し
(本日は高山さんのご友人、西尾さんの車も出して頂きました)、一路西へ・・・瑞浪(みずなみ)市陶(すえ)町へ・・・。

そこにはわたしたちAANが一角をシェアしているCreative Hub131のエクゼクティブ・ディレクターで、
アーティストの新野圭二郎さんのアートプロジェクト「全人類対話場」の制作現場があります。

道中は山また山ですが、夏の緑はとても美しく、
空と、山と、また時折見える川のコントラストが壮大です。
しかも城好きな参加者(杉さん)によると、
このあたりは城址の宝庫とか。

途中で1回、山岡という場所にある道の駅(おばあちゃん市)に立ち寄りつつ、
さらに山深き陶(すえ)町へ・・・中津川からは車でほぼ1時間半強の道のりでした。
***

一行が車を降り立った場所はこういうところ。

《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_6375467.jpg


一面山林です。

そしてその山のひとつが、なんと新野さんの作品の制作現場でした。
その山は、約7万5千平米、東京ドーム1個半ぶんの広さがあります。想像できますか?・・・

新野さんはそこに世界のありとあらゆる著名な人たちを招き、
まさに《全人類》が対話を行えるような舞台(=作品)を制作計画中です。

実際東京でそのお話を聞くよりも、
その場にいて聞くほうが臨場感ありました。
きっとその場にいた人たちの頭には、
それぞれの「完成図」がさまざまに想像されたことと思います。
《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_6435797.jpg

《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_64577.jpg


※この場に行かれなかった方がたへ、
この間のCreative Hub131の1周年イベントで公開された、
その「完成模型図」がこちらです。
《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_6412115.jpg


***

ところでこの場所は、かつては日本の代表的な陶磁器メーカー、ノリタケ(Noritake)の
大きな工場があったところでした。

新野さんの制作現場(山)の対面にあるちょっとした高台に、
長細い木造の小学校の校舎みたいな建物がありました。
それは新野さんによると、ノリタケの社員寮(食堂・お風呂等)だったそうで、
まるで山のなかの分校舎のようです。
《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_6424429.jpg

《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_6472632.jpg

近くには蓮の花の咲く池もあり、面白い場所だねーとその辺をみんなで散策していると、
新野さんに山を貸してくださっている‘お父さん’がふらっと登場されました。

これには新野さんもびっくり。

早速そこから‘お父さん’こと橋本さんに案内していただき、
先ほどの社員寮、
《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_6483656.jpg

《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_6504792.jpg

そしてすぐ近くにある
大きなノリタケの工場跡も見学させてもらうことが出来ました。

《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_6493026.jpg

この方が‘お父さん’です。

この工場跡。まだなかに資材は残っているものの、スケール感がすごい!
《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_6521896.jpg

《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_653322.jpg

《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_6544694.jpg


そんな広大な工場を、
「みんなで美術館にでも使ったらどうかな」
と気軽におっしゃっる‘お父さん’はそんな心の大きな方でした。

そして、わたしたちが工場内の規模、設備、いろんなことに感嘆しながらみているのを、
楽しそうにみていらっしゃいました。

最後に、
「都会は電車が数分に一度来るのに、みんなエスカレータを走っているでしょう。
 そういう人たちの心の安らぎになるようなことを、何かしたいと思っているんだよねぇ」
としみじみ語って下さったのがとても印象的で、
わたしは久々に人の言葉でホロっときました。
《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_6552927.jpg


<‘お父さん’また遊びに来ます!>

きっとみなさん、同じ思いだったはずです。

***

さて、そんなこんなで時間が押せ押せになってしまいました!
一行は急いで車に分乗させていただき、また一路中津川市内へと・・・。

そして、お昼をかなりまわった頃、
一行は中津川に到着しました。

お昼はどうしましょう?ということで、
中津川の方から
「せっかく‘食’のイベントで来たのだったら、
是非中津川のB級グルメ(お店の方、ごめんなさい!)も試してほしいな」
という言葉をいただき、駅の近くの『五十番』さんを訪れました。

中津川市に育ったみなさん(特に男性?)にとっては、特になつかしいお店のようです。
メニューのほとんどが500円以下。
そしてこのボリューム!!
《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_6563449.jpg

(↑あまりボリューム感が感じられない写真でごめんなさい、でも本当に大盛り!という感じでした。)

ほとんどのメンバーが、このお店の名物、マヨネーズ入りの塩焼きそばを試していました。
すごい量だったのですが、ほぼ皆さん完食!

それにしてもこういう青春の思い出の店、
誰の記憶のなかにも少なからずあるのではないでしょうか。
ずっと続いてほしいものです。

***

ところで、ここからまたCreative Hub 131の仲間、
「社員食堂Lab.」の代表、笠原さんが合流しました。

なにやら賑やかになる予感?!・・・

本来ならばそこから一路、旧中山道(なかせんどう)の宿場町である馬籠(まごめ)に向かうはずでしたが、
皆さんの「ここまで来たからは、中津川での<食通>の聖地に立ち寄りたい」
というたっての希望により、
落合という旧中山道の宿場町にあたる一角に向かいました。

その名も、LABORATORY。宿を提供していただいた中津川メンバー、
曽我さんと曽我さんのお母さんが経営されている工房兼レンタルスペースです。
《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_658899.jpg


風格ある入口を入ると、
土間の奥からすぅーーーっと涼しい風が感じられる様でした。
天井が高くて、梁も立派。
この建物は、旧庄屋さんだったそうで、
すでに築200年なのだそうです。

その重厚な日本建築に、
曽我さんのシルバーアクセサリーや、お母様の藍染めなどの織物、
そのほか陶芸や漆器、ガラス製品などが
とても居心地よさそうに陳列されています。
《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_2051752.jpg

《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_20606.jpg


わたしたちは、靴を脱いでお店の奥へ。
すると、きちんと手入れをされたお庭がみえ、そのお庭を独り占め
するような位置に、中津川の<食通>ツアーの現場がありました。
《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_7058.jpg


かつては宿場の旦那さんたちが集って
俳諧でも楽しんでいたような・・・いい場所でした。

しばし皆さん、そこで佇んでおられました。

玄関まで戻ってくると、
曽我さんのお母さんが
お茶と茹でたてのトウモロコシを用意していてくださいました。

ずっといたい・・・そんな空間。

みんな離れがたくも、帰る時間が迫っています。
泣く泣くお母さんの笑顔に見送られて、
その場を去りました。

《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_763693.jpg

曽我さんのお母さん。

***

さて、そこを出発してさらに車で20分程度移動し、
今回のオプションの最終地、馬籠(まごめ)に到着しました。

ここはそもそも長野県だったのですが、
2005年から岐阜県中津川市に編入されました。
長野県出身のわたしには、そんなことでとても身近に感じる
場所でした。

急な坂が特徴です。この坂を人を乗せた馬が通っていたのでしょうか。
昔は人も馬も、みな健脚だったのだろうなぁ・・・と
ヘロヘロになりながら我々も坂を上っていきました。
《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_2073745.jpg


坂の途中には、木造の水路を使った水車もあり、
昔はこのような風景があちこちにあり、
水力で臼をひいたり、日常生活に使われていたのでしょうね。
智恵のある暮らし・・・今の私たちの生活のどこかに、参考にしたいことです。
《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_773383.jpg


・・・などと思いつつ、皆さんの体力は限界間近。
太陽もなかなかかぎってくれません。

そこでふと入った喫茶「四方木屋(よもぎや)」さん。
実は、その近くにある藤村記念館のゆかり、藤村のご長男のご家族が
経営しているお店でした。

そこで我々は・・・藤村の生い立ちの話やあれやこれや・・・
とんでもない話を繰り広げていたのでした。
内容は・・・割愛しましょう(笑)。
《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_2082335.jpg

・・・

《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_79635.jpg

その四方木屋さんの前で、
お店の奥様に入っていただき、記念の1枚。

その後、藤村記念館に行く人あり、
もっと上まで上る人あり、
それぞれに馬籠を楽しんだ後、
いよいよお別れの時間となりました。

***
お土産タイムもなんとかあり、
滑り込みセーフとはいかないまでも、
ギリギリで高速バスに乗り込みました。

3連休の最終日ということもあり、
帰りの高速バスは言うまでもない渋滞に巻き込まれましたが、
皆さん無事で帰ることができ、
120%満足の<食通>ツアーでした。

本当に、中津川の皆さん、TAROさん、本当にありがとうございました。
東京-中津川間の<食通>イベントは終了してしまいましたが、
これからも何かのかたちで
ずっとつながっていけたらいいですね。

最後に前の日に河原で撮った
記念の1枚を・・・。
《食通》エクステンションツアー  中津川へGo! その2_d0058440_7102752.jpg

(TAROさん、高山さん、新野さん、冨重さん、竹内さん、杉さん、小木曽さん、伊藤さんご夫妻、
 大鶴さん、佐藤さん、松井さん、武藤さん、ヨウさん、嘉藤、林・・・そしてどこかに
 写っているかな・・・??翌日参加の西尾さんと敬太さん)

マタイキタイナ。。。

(林)

***
さいごのさいごに。
《食通》in 中津川ツアー にご参加の皆さんのプロフィールも兼ねてご紹介♪

中津川の皆さんの《食通》レポート:
http://laboratorydb.wordpress.com/

Eat & Art TAROさん(東京):
http://eat-art.s2.bindsite.jp/
☆現在「越後妻有トリエンナーレ」にて
<越後妻有フード記
http://www.echigo-tsumari.jp/calendar/event_eat_and_art_taro_tsumari_foodki
開催中です(スケジュールは上記URLにてご確認ください)。

高山さん(中津川):
http://www.grounddesign.jp/
http://www.architectsunion.net/

曽我さん(中津川):
クラフトショップ LABORATORY
岐阜県中津川市 落合831(旧中山道 落合宿の中ほど)
電話:0573-69-3562

佐藤さん(中津川):
www.suiheiya.com/

新野さん(東京):
http://www.keijironiino.com
☆現在、Creative Hub 131(中央区日本橋大伝馬町13-1)の1階に、アートプロジェクト「全人類対話場」の進行を公開中です。

笠原さん(東京):
http://www.miraitv.com/

武藤さん(名古屋):
http://transit-building.com/
http://www.n-mark.com/
by a-a-n | 2012-07-16 23:26 | イベント
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