DIALOGUES Curator's 総評
台風が来るぐらいですから、すっかり初夏ですね。
毎日、気温もグングンと上昇しているようです。

DIALOGUES展が、終了してすでに2ヶ月が過ぎましたが、テキストによるアーカイヴを進行しています。
本展キュレーター嘉藤笑子の展覧会総評をアップします。
ちょっと長文ですが、本展覧会に対する思い入れが十分に分かっていただけると思います。
どうぞ、よろしくお願いします。

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DIALOGUES展 国際現代美術展
~地域プロジェクトの国際性~ 嘉藤笑子

◆国際現代美術展「DIALOGUES」
 2015年1月16日から3月14日までの長期間にわたる国際現代美術展「DIALOGUES」を開催しました。会場は、NICA:Nihonbashi Institute of Contemporary Artsという日本橋にオープンした小さなアートセンターでした。本事業は、Art Autonomy Network[AAN]が主催事業として嘉藤笑子のキュレーションによって企画されたものです。
初日は、NICAのグランドオープニングが華やかに開催され、東京の本格的なアートセンターの始まりを200人も超える人々が祝賀しました。NICAの拠点である日本橋は、伝統と歴史を重んじる商業地域として広く知られた地域ですが、最近では新しい商業施設が軒並みに建設されている再開発が活発な地域です。NICA周辺地域は、複数のギャラリーが存在し、CET(Central East of Tokyo)におけるカルチュラルタウンとして認知される場所です。つまりは、21世紀型の新たな文化拠点として、国際文化都市に相応しいエリアになりつつあるというものです。こうしたポテンシャルを活かした国際現代美術展を開催し、本企画を皮切りに先駆的な文化拠点を設立していきたいと思いました。インターナショナルな感性を意識し、その環境や条件に相応しいアーティストを選出していくことでもありました。
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本展覧会「DIALOGUES」は、日本と海外アーティストによるそれぞれ2組を1ユニットとして構成し、3期連続に開催していく合計6人のグループ展でした。「DIALOGUES」は、<対話>という意味をもつことからも分かるように、国内外アーティスト同士が、対話をしながら進めていくプロセスワークでもありました。また、その対話は、アーティスト同士に留まらず、キュレーターやインターン、ボランティア、地域住民、アート関係者、観客などの領域を超えた広範囲にわたる人びとの対話を通して築かれた関係性を示すものでした。選出された作家たちにとっては、文化的背景や生活環境、母国語などが異なり、展覧会を機会に初めて出会い、協働で制作をしていくのですから、簡単なことではありません。限られた条件のなかで、短期間で展覧会を作り上げていくべき冒険的なプロジェクトでしたが、キュレーションの立場から見れば、その野心に適う人物が選ばれたとも言えるでしょう。
さらに展覧会は、「ひかりのまち」「かわのまち」「はしのまち」という題されたテーマがあり、それらはアーティストたちの会話のなかから抽出されたキーワードでもありました。この3期に分かれた展覧会は、それぞれ10日間の展示期間という短いものでしたが、それぞれのなかでアーティスト2名とゲストを含むトーク・イベントを開催しました。それらにも小さなタイトルがあり、トピックを設けることで各テーマにエッジを際立たせる役目にもなっていました。
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◆第1期「DIALOGUESひかりのまち」
それでは、一つひとつの展覧会について振り返ってみたいと思います。まず、第1期「DIALOGUESひかりのまち」は、栗山斉(取手)とシャーロット・マクグワン-グリフィン(ベルリン)のふたりのアーティストによる展覧会でした。栗山斉は、コンセプチュアル作品を中心に「無」と「存在」について言及している作家です。彼は、宇宙の始まりと終わりをひかりによって具現化しようとガラスチューブ(ネオン管)を用いた大掛かりなインスタレーション「∴0=1 open ended」を展示しました。螺旋形を描く光の輪は、すべてが輝いているのではなく、瞬いているものは複数のネオンだけで、螺旋の終わりは宙に吊られたまま、行き先を失うように流れているのでした。どことなく脆弱な様子は、宇宙の移ろいを示すようでむしろリアリティを現出させるとも言えます。
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この大きな作品に対置しているのが、マクグワン-グリフィンの和紙や洋紙を用いた大きなインスタレーションでした。彼女は、施工スタッフとしてセバスチャン・セイラーを帯同して来日しました。彼は、建築家であり大工として美術展の施工をしている経験から選ばれたようで、来日した直後から休まずにインスタレーションの構造体を構築したのでした。マクグワン-グリフィンは、これまでも大きな紙のインスタレーションを手がけてきましたが、今回は日本橋が江戸時代から続く商店街だった事実から、その当時に日常的に使われていた「大福帳」をテーマに「Kami-no-Machi」を制作しました。当時、商店の帳簿として使われていた「大福帳」は、細川紙という和紙を束ねた帳面でした。細川紙は、2014年にユネスコ無形文化遺産に「和紙・日本の手漉和紙技術」に登録された和紙のひとつで、我が国における伝統技術を継承する重要な文化財でもあります。今回の展覧会のために細川紙の産地である埼玉県比企郡小川町までアーティストと出かけて、細川紙産の大福帳を借用してきました。アーティストにとっては、和紙の手漉きを見ることもはじめであり、原材料である楮から和紙の素材を製作工程に触れることも初体験でした。こうした和紙の原材料や素材が展覧会に提供され、それらは、インスタレーションに活用されました。大きく母胎のように覆いかぶさる和紙の立体から薄らと漏れる白熱灯の灯りは、オレンジ色で柔らかく、かつての町人屋敷では日常として見られた光景を彷彿させました。
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NICAの小さなギャラリーには、ふたりの作家の小作品が展示されました。マクグワン-グリフィンは、W・G・ゼーバルトの散文小説「土星の環-イギリス行脚」(1995)から着想を得た「SUBSTANTIAL FORMS」(和紙・白熱灯、他)を展示しました。それは、和紙漉きの技術を学んだドイツ人職人による隙かしを施した漉き和紙作品で、照明によって2枚の重ね合わせた鳥の姿が浮き彫りになる小品でした。小説家・ゼーバルトは、ドイツ人でイギリスの大学で教鞭を取りながらドイツ語で小説を書いていました。彼の作品は、異邦人としての自らの姿と小説のなかに登場する主人公が重なり、異国のなかで時空を超えて彷徨っていく幻想小説でありながら、実際の旅程を綴る紀行文のような錯覚をもたらす、どこか不思議な世界観を持っているものでした。その作品が、ドイツに暮らすイギリス人である異邦人としての彼女が、日本に旅する姿を体現しているようで、タイトルに付けた<実体>という意味が、より仮想空間へと馳せるような気がするのでした。
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栗山は、ネオン管が花のようにグルグルと回っている作品「∴0=1-Polaris (BC100000-AD100000)」を展示空間の北に位置させました。この作品は、地球が誕生してから現在までの北極星・ポラリスの軌跡を可視化したものでした。まさに天文学的時間を経て地軸が振れている事実を顕在化した作品ですが、科学的な根拠に導き出された星の軌道であっても、ロマンティックな時空間の壮大な旅を思わせるのでした。作家の意図に従えば、科学の不動性は誤謬であり、普遍的な可動性に真実があるということでしょうか。人間の感傷に及ばない科学の普遍性にこそリアリティがあるということかもしれません。
ふたりのアーティストの競合ともいえる展示は、ギャラリー空間が溢れるような光で満ちていながら、その灯りが及ばない部分にも深く影響し、多くの影が潜んでいるのでした。つまりは、すべてが陰陽のなかで作品が充満していることで、観客は宇宙の塵のような浮遊物のようでもあり、母胎のなかで胎児が眠る永遠の安息のなかにいるようでもあったのです。
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◆第2期「DIALOGUESかわのまち」
第2期「DIALOGUESかわのまち」は、ジョン・ササキ(トロント)と森田浩彰(東京)によるユニット・プロジェクトでした。ふたりは、「DIALOGUES」をコラボレーションとして素直に受け止めプロセス重視の制作方法をとりました。それは、アーティスト同士が頻繁に対話を交わしながらチームワークによってプロジェクトを成立させる<愉快な仲間たち>の成果ともいえるものでした。ふたりは同い年のアーティストということもあって、意気投合するのも早く会話は初めから弾んでいたといえるでしょう。
日系3世として生まれ、トロントを拠点に活動するササキは、2014年に初めて来日したのを機に、日本人としてのルーツを探る気持ちを持っていました。しかしながら、本プロジェクトでは森田とのコラボレーションに集中し、異国における同胞の立場を全うしたのでした。ササキは、日本橋という名前から橋の下に流れる川の存在を指摘しました。それを受けて川のなかで“水中ドローン”による撮影を森田は提案しました。水中ドローンとは、実際には水中カメラをケーブルで繋ぎコントローラーで制御する水中ロボットのことでした。ドローンは、小型飛行機による空中撮影のことを指していますが、呼び方も含めて周知され始めたばかりの最新技術の感がありましたが、その最新性がアーティストにとっても惹かれる技術だったのでしょう。水中ロボットや機材のレンタル、その操作確認、スタッフ管理など撮影準備のために情報交換は頻繁に行われ、ついに快晴の撮影日を迎えることになりました。
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撮影場所は、東京の川に詳しい井出玄一氏(NPO法人ボート・ピーピル・アソシエイション理事長)からアドバイスを受け、穏やかな流れの“亀島川”になりました。この川は中央区の霊岸橋から亀島橋あたりの流域で日本橋川から分流したのち隅田川に合流する一級河川のことです。江戸時代は、徳川水軍の御船手奉行所のあった船舶の検閲所であり将監河岸とも呼ばれた歴史的なところです。海に近いこともあって潮位によって水位変動がある場所ですが、川辺まで階段で降りることができ、撮影には最適な場所でした。今回の撮影は、川底に埋まっているかもしれない宝探しを水中ドローンによってドキュメンタリー撮影するもので、撮影前には何も見つからない場合などの懸念もありましたが、見事に多数の埋蔵物を探し当てたのでした。川底の埋蔵品を探す人物は、プロのダイバーを依頼し、プロによる河川の潜水は慣例であるとのことでした。拾得物は、マウンテンバイクや自家用車のゴムタイヤ、梱包材に包まれたDVDプレヤー、ラジオカセット(SONY)、ピンクの長財布、鉄製パイプ、紺色の作業服(上着)、剥き出しになった小型モニターのブラウン管、タバコが詰まったガラス瓶、木材などすべてが長年にわたって川底に埋まっていたため石灰化していたり、貝殻がびっしりとついていたりと、その時間の経過を顕著に表わす状態でした。それらは、ほとんどが川底のヘドロにまみれた埋蔵品で、洗浄して乾燥するまでは酷い悪臭を放っていました。撮影中の水中ロボットは、アーティストが交代で作動し、片方はモニターをチェックしながら埋蔵品を発見するとダイバーに指示を伝え、片方は外部撮影や埋蔵品の引き取りをするという方法で速やかに進行していきました。来日から数日しか出会う時間がないなかでも、よいコミュニケーションがとれたことで、撮影から編集、インスタレーションまでスムースに進みました。
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水中ドローンで撮影された映像や、別カメラで河川周辺から撮影した映像など、複数の素材を15分程度の映像作品を仕上げました。映像作品は、「Under the Kamejima Bridge」とタイトルを付けて、ギャラリー壁面に大きくプロジェクションしました。スクリーンに反射する光だけが会場の照明となり、水揚げされた拾得物は、古びた廃棄物にも関わらず艶かしく光っているのでした。
小ギャラリーでは、亀島川の生水を入れた数十本のペットボトルをテーブルに配置し、観客に無料で配られました。そこには、「亀島川の水です。ご自由にお持ち帰り下さい。NICAは一切の責任を持ちませんので、ご自分の責任においてご使用お願いします」という日英文の注意事項がついていました。期間中に持ち帰る人数が少なかったのは、川底の残骸になった拾得物の姿のせいでしょうか。今回、展示されたアイテムは、15分間のヴィデオ作品、拾得物、川の水、という少数でありながら、一貫したストーリーのなかで語られる川の話でした。そのシンプルさ故に発見することが多く、人間の営みと川の流れという永続性、時空を越える壮大な宇宙観など森羅万象との関わりが明らかになり、「川」が人びとに与えている存在の大きさに気が付くことができたように思います。
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◆第3期「DIALOGUESはしのまち」
第3期「DIALOGUESはしのまち」は、サム・ストッカー(ロンドン/東京)と近藤恵介(東京)による絵画とインスタレーションによるコラボレーション作品でした。ストッカーは、当時、東京藝術大学大学院修士課程(現在、博士課程)に在籍していたこともあり、東京を拠点に活動をしています。したがって、他の2つのチームより日本作家と長い時間を共有できるだろうと考えたのですが、本展に参加することになってから英国と日本を頻繁に行き来せざるえない状況になり、残念ながら長い時間を近藤と共有することはできなかったのが実情でした。それは図らずして、他期間のアーティストたちと条件は一緒になった訳ですが、その難局においても両者が多くの会話を通してコミュニケーションを深めることができたと思います。
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ストッカーは、絵画出身の作家ですが、英国にいるときからインスタレーションを中心に作品を制作している作家です。そして近藤は、日本画を専攻し、日本画の手法や素材を踏襲する表現をしながらも、近代日本画の領域を逸脱するための実験的なアプローチを行ってきました。この両者が、本展を通して出会うことで、平面/立体といったカテゴリーを超越して斬新な表現ができると考えておりました。
両者は、出会いから自作についての丁寧に説明をし、それぞれのアイデアを交換しながら作品を制作していきました。特にストッカーの作品は「DIALOGUES、はし」と題して、明治44年に日本橋が石造になったときの図面や画像資料などを手に入れて、麒麟像の台座部分を抽象的に再構築し、ギャラリー空間の中央に橋をかけたような大きなインスタレーションを設置しました。廃材によって再生された橋は、これまで日本橋が経てきた長い歴史をその形態や造作に刻み込み、さらに作家たちの会話を包括しつつ、大きなダイアローグへと集約されたものといえるでしょう。本作品の根幹を成す“日本橋”を熟知し解体したうえで、再構成させていく手法は、どこかモンドリアンのような抽象絵画のようでもあり、光を追い求めた印象派の絵画のようでもあります。そして、ストッカーと近藤のそれぞれが作品のなかでキャッチボールのごとく軌跡を残しているのも特徴的です。例えば、近藤の絵画のなかに橋の構造体が部分的に描かれていたり、絵画のなかに表出される矩形が、切り絵となって立体のなかに貼り付けられたり、と絵画が立体に寄り添っていく姿が見て取れます。そうした断片的な痕跡は、人体が触れ合うごとく相互関係の記憶を付着させているのでしょう。
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近藤の平面作品「私と状況(DIALOGUES)」は、正方形のパネル(53cmx53cm)を基本とする絵画を複数に連結することで、さまざまに表情を変えていく連作になっています。場合によっては、1点のみ、3点連結、4点連結といった具合です。ギャラリーのどこに展示するのかによって、連結の長さを変更させていくサイトスペシフィックな作品にもなっています。会場の中央を占める巨大な廃材の橋のインスタレーションは、複雑な構成やメッシュ越しに覗きこむことで多彩な景色を提供しています。それと絡む絵画の配置は、鑑賞者の視点のずれや立ち位置によって異なる形態に変容し、絵画に新たな形態や異なる色彩を加えていく作品になっています。つまり、そこに置かれた個々のオブジェや流動する人物などすべての環境を一体化していくスフィア的な作品であり、完全にタブローといった平面を逸脱するものになっています。その反面、視覚化されたすべてのコンテクストを介入させていく画中画の手法を取り入れているともいえるでしょう。彼のストイックな構成や淡い色彩は、アグレッシブな破壊やパラサイト的な侵食を否定するものですが、橋のインスタレーションとの共鳴を余儀なくさせていくことで、複層化された蒔絵のような表現となったともいえるかもしれません。
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◆まとめ
幾重にも複雑な表情を持つ本展覧会は、アーティスト同士の会話や丹念なコミュニケーションが重ねて行われたことで、多彩な表現を加えていることに間違いありません。ニコラ・ブリオーの『関係性の美学』の解釈は、昨今の地域系アートと呼ばれる特定のエリア内におけるコミュニケーションを通した表現に照射してきました。その多くが地域活性化のために重宝されているコミュニケーションを基盤にし、作家と地域住民といった主従関係に期待が込められ、「現代アート」は都合のよいキーワードとして重用されてきたといえるかもしれません。「関係性」という言葉が、容易に使われるようになったのは、ブリオーの思想が市民に理解しやすかったというより、地域のなかで発表されてきた作品が状況証拠のように事実と一致していったからといえるでしょう。
「ダイアローグ」という方法が、この地域で展開されている「関係性」と同義であると判断するのは容易ですが、実際には、もっと率直な構造であり、アノニマスな地域住民というより、ギャラリーという区切られた環境のなかで出会う<作家、キュレーター、観客>といった相対的なコミュニケーションに重きを置いているのです。本来ならば幅広い人達と「関係性」を築くことでアートの影響力を高めるのが重要かもしれませんが、あえて狭域にすることで「美学」に対する深化を求めたといえるでしょう。もちろん、それは内閉化していく後退的なアプローチではありません。わが国の地域プロジェクトが、コミュニティ根ざした作品制作を積極的に推奨してきたことで身近にアートを認知することは容易になってきたかもしれませんし、一見するとアートはわかりやすくなってきたかもしれませんが、依然としてその存在意義は誤解されたままと言わざるえいないのです。
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したがって、今回の「DIALOGUES」は、真摯な姿勢で美術と向き合うことで、わが国の優れた現代美術を深く洞察していこうというものでした。そのため、現代美術の批評を内包した国際美術展であるべきだと考えていました。そして国際文化都市に相応しい東京の中心地である日本橋を舞台にしたことで、地域活性化を枯渇するエリアとは異なるコンテクストを露呈できたと言えると思います。各展覧会には、「ひかり」「かわ」「はし」というテーマが付けられましたが、これらは日本橋にとって誇るべき文化資源でありながら、特定地域のみが有する価値観ではありません。むしろ、どこの地域でもありうる世界共通の有効資源といえるでしょう。今回の展覧会が、その世界共通の文化的価値を深めたと思っています。これまで地域振興のための文化事業は、アートを悪用すると揶揄されてきましたが、それはアートにとって不可欠な美の真価について言及してこなかったからともいえます。また、その真価に対する理論的評価や方法を形成することができないままだからではないでしょうか。すでに地域プロジェクトは成熟期になり、今後につながる国際的価値を求める時期に来ていると言えるでしょう。
本展覧会では、グローバルとローカルといった相対関係を意識し、双方に通用するアーティストを選出していますが、それらはアカデミックな視座とラディカルな表現を併せもつ、美の真価につながるアートを紹介できただと自負しています。それによって斬新性に満ちた重層的なコンテクストを表出させることができ、元来の<アートの魅力>を先駆的に紹介できたと信じるものです。
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※前年に富井大裕個展「繊維街 日本橋」(2014年5月25日~6月14日)をプレ企画としてAAN主催で開催しているので、NICAでの展覧会は2回目の開催でした。
※「埼玉伝統工芸会館」(小川町)和紙工房長・谷野裕子氏より「大福帳」を2冊借用しました。どちらも明治・大正時代の実際に使われていた「大福帳」。谷野氏は、国指定の重要無形文化財技術継承者として、個人の伝統工房「手漉き和紙たにの」を運営しています。※ジョン・ササキは、「遠足プロジェクト」(カナダx日本共同事業)というアーティスト・イニシアティヴの東日本大震災復興プロジェクト(2011年-現在)に参加し、廃棄処分になる予定だった中古のランドセルをアート作品にしていく事業に参加した。総勢80人を超えるアーティストが日加合同で制作を行い日本とカナダで巡回展を実施した(現在、カナダ巡回中)。2014年に本事業の一環で宮城県女川町にてワークショップを実施するため4人のカナダ人作家と一緒に来日し、「遠足プロジェクト」に関連した「神山いいね!」(AAN主催)という徳島県神山町の子どもワークショップに参加した。
※映像作品:Title: Under the Kamejima Bridge、Year:2015、Material: HD Video with sound, salvaged objects、Duration:14mins、Size: Dimensions Variable、Artists:Jon Sasaki, Hiroaki Morita
※ペットボトル作品:Title: Free water from Kamejima River、Year:2015、Material: Water, Bottles、Size: Dimensions Variable
※近藤恵介作品――「私と状況(DIALOGUES,1)」(S10パネル2点:53×106cm/岩絵具,水干,膠,墨,鳥の子紙,板,2015)、「私とその状況(DIALOGUES,2)」(S10パネル4点:53×212cm/同前)、「私とその状況(DIALOGUES,3)」(S10:53×53cm/岩絵具,水干,膠,墨,鳥の子紙,2015)
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by a-a-n | 2015-05-11 21:34 | ドキュメント | Comments(0)
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