神山アート・ツアー =1日目=
11月の3連休(2013年11月2,3日)、15年目を迎える<神山アート・イン・レジデンス(KAIR)>の展示会開催中の徳島県神山へのツアーを開催しました。

このKAIR、AANディレクター嘉藤さんが長年評価委員をしています。さらに現在AANがコーディネート等で携わっている「遠足プロジェクト」fieldtrip.info/の展示も神山で行われていることもあり、AANにとって縁の深い場所でした。

ツアーの参加メンバーは、神山の取り組みやアートに興味をお持ちのお客様6名(うちお一方は「遠足プロジェクト」参加作家さん)と、AANスタッフ4名、そして現地ではCreative Hub 131の仲間で神山塾※の元塾生として現地に移り住んでいる聡美さんの総勢11名です。
※神山塾:KAIRをはじめとする神山でのアートやまちづくり活動を行う、NPO法人グリーンバレーが実施している厚生労働省の認定を受けた「緊急人材育成支援事業(基金訓練)」および「求職者支援訓練」。通称「神山塾」(イベントプランナー・コーディネーター養成科)。

阿波踊りのブロンズがポストの上でお出迎えする徳島駅から車で約1時間程度の場所に、豊かな自然に囲まれた神山がありました。
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町の入口にある<道の駅>には、朝早くから地元の方々が持ち寄った新鮮なお野菜が並んでいます。特産品の梅、さつまいも、椎茸、すだち、そして見たこともない様な果物などもあります。到着直後からお買い物ツアーになりそうな勢いです。ソフトクリームも梅味や、不思議なポポー味など、特産品を活かした味が並んでおり、ついつい手が伸びてしまいます。
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さてそこで集まったメンバーで、まずは徒歩圏内の散策に。
薪で焼くパンが即売り切れ!になってしまう薪ぱんさんや、昼食場所の粟カフェをチェックしつつ、温泉ホテル<四季の里>さんへ。ここでは、今までのKAIR滞在作家の作品数点や、町に復活した伝統芸能‘棒搗き(ぼうつき)’のジオラマ、そして神山の隆盛を物語る人形浄瑠璃のお人形などをみることができます。また、ホテルのすぐ脇には、青石が澄んだ水に美しく映える川が流れており、夏であったら泳ぎたいくらいでした。
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(薪ぱん店舗内)

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(ホテル内、以前AAキッチンにもいらしてくださった、レジデンス作家のシャルロット・マクゴワンーグリフィンの作品)
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(棒搗きのジオラマ)
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(浄瑠璃人形、いまだに浄瑠璃公演はあるそうです)
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(ホテル前の看板で神山のまちをぐるっと頭に入れます)
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(神山の石は青い!)


気が付くとあっという間にお昼の時刻になっていました。ちょこちょこ買い食いしていたのに、楽しい旅はお腹をすかせます。

お昼のレストラン<粟カフェ>さんは、オーナーが脱サラして移住なさった方で、玄米キーマカレーが有名。ここで今回のツアー参加者全員が揃い、簡単な自己紹介。おいしい食を囲んでの初対面はなごみますね。
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さて、昼食後いよいよ屋外展示作品を見学に出発です。
「ちょうどいい腹ごなしね!」とほとんどの皆さんが思っていた屋外展示めぐり・・・なはずでしたが、実はなかなか険しい道のりでした。それはちょっとしたハイキング。
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<ノベルト・フランシス・アタード(マルタ)の作品 2004年>
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<マリーナ・カルヴァリョ(ポルトガル)の作品 2011年>
でも、がんばったあとにはこんな風景がみえてきました。
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「絶景かな〜!」
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紅葉にはまだ早いようでしたが、山の濃淡がとても美しく、思わずみなさん足が止まってしまいました。
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さらに上に行くと・・・。
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<ストレイダム・ファン・ダ・メルヴェ(南アフリカ)2003年>

そして山頂までいきついたところでゆるゆる下っていくと、おとぎ話にでてくるような山の中の一軒家がありました。
それが昨年2012年のレジデンス・アーティスト出月秀明さんの作品「隠された図書館」でした。
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この図書館は、村の記憶を共有、或いは思い出すための場所としてつくられました。大きなガラスに覆われた開放的な部屋の中には、書架のほかに、椅子や暖炉もあります。面白いのは、本をここに持ち込むことが出来るのは神山の住人の方のみで、しかも人生で三回のみ。卒業、結婚、退職のとき住民だけに許されるという図書館です。図書館を開けることが出来るのも本来は住民のみらしいのですが、今回は特別になかに入れていただきました。
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さらにそこからすぐの場所に、なんとなく気になる建物がありました。それはCoco 歯科さん。移住組ということでしたが、建物自体あたたかく、診察台のある部屋の天井には、空色の天井画が描かれていました。素敵!
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***

さて。次は神山の象徴的な建物、劇場寄居座(よりいざ)です。
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ここは林業で活気あふれるこのまちに昭和4年にできた大衆文化の中心でした。特にこの天井は一度みたら忘れないインパクトがあります。そして、舞台の正面にあるのは今年のレジデンス作家のひとり、ニック・クリステンセン(オランダ)さんの作品<Kagami>です。和紙を使い、墨絵の手法を用い、描かれているものは神山で目にしたもの(お遍路さん・田植えの人・雨乞いの滝など・・・)ばかりなのに、いわゆる墨絵とはまったく異なる印象です。
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そしてその絵と対面する位置にあったのが、また別のレジデンス・アーティストであるスズケン・ローゼンタール(ドイツ)さんの作品<Clouds>でした。近づいてみると、円の一つひとつが木枠になっており、これを準備するのがとても大変だったとスタッフの方に伺いました。両作品とも、この場にすごくしっくりと合います。
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***
そうこうしている間に、山あいの神山の地には、あっという間に夕暮れが訪れました。

今回の夕食は、今年のレジデンス・アーティストで唯一の日本人、阿部さやかさんから「そういう方がたとフード・コミュニケーションするのであれば、わたしの作品展示会場のなかでやりませんか?」とのお誘いをいただくという幸運に恵まれました。

さやかさんの作品<やまやま・くるくる>は、名西酒造酒蔵のなかにありました。
地元の藍や柿渋などを使って染めたのれんで仕切られた部屋の中にはまぁるいちゃぶ台と座布団。そのうえにはこれからごはん、という風景。よくよく覗き込むと、お皿やコップにある食べ物・飲み物から、いたずらのように目が飛び出したりします。くすっとします。
また正面には、「雨乞いのうた」と踊りを披露してくれた90歳のおばあちゃんのイラストレーションが動画になって現れます。
藍などの日本の自然色のためか、この仕掛けのためか、ついつい寛いでしまう空間です。
またその横には、大玉送りの玉くらいの大きさの白い球が2つ浮かんでいました。そこには梅で有名な神山の方がたが、梅を食べたときの「すっぱーーーーーい!」表情が次々に映し出されていきます。
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そのすっぱい顔と顔のなかに席がつくられ、元塾生のりょうくんのケータリングお料理が到着し、人が集まり・・・次第にこの展示会場が賑やかになってきました。
この夜のために、グリーンバレーの方がたや、元神山塾生のみなさんにお手伝いいただき、あたたかいお部屋のなかでこんなに大勢の方と乾杯!してのフード・コミュニケーションがはじまりました。

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(グリーンバレーの皆さまや、京都のグループの方がたも加わっての賑やかな乾杯!)
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(レジデンス・アーティストのニックとさやかさん)
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(フードには、さやかさんが事前に3つのお題をだしていたそうです。それは「ピンク」「梅干し」「非日常」。うーーーむ、さすがアーティストさん!非日常というお題は難しいです!)
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大勢でしたが、ひとことずつ自己紹介し、
皆さんでおいしいお料理とお酒や温かい飲み物をいただきつつ、
楽しい神山ナイトを過ごしました。

なんと長い1日だったかと・・・今振り返ってもそう思います。
密度の濃い、楽しい1日でした。
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〜「遠足プロジェクト」の作品とパネルディスカッション、そしてITサテライトについては、続き(2日目)でお伝えしてまいります〜
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by a-a-n | 2013-11-02 23:39 | イベント | Comments(0)
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